2016年4月2日土曜日

ピアノソナタ第2番 op.2

本作は作曲時期的にはピアノソナタ第1番op.1に先行するものであるが, 自身の作品カタログの冒頭を飾る楽曲は正統派のハ長調ソナタであるべきというブラームスの判断によって , この嬰ヘ短調のソナタには作品番号2が付与された. 本作はクララ・シューマンに献呈されている.

第1楽章
嬰へ短調, 3/4拍子, ソナタ形式.
劇的な序奏に続いて幻想的な音楽が展開される. 本作の作曲時期にはブラームスはまだハンブルクを出たことがなくショパンやシューマンの作品を知らなかったと思われるが, 彼ら初期ロマン派と同じ雰囲気を持つことが興味深い.

第2楽章
ロ短調, 2/4拍子, 自由な変奏曲.
やや散漫で変奏の技巧も後の作品に比較すると見劣りするが, 若いブラームスのロマンティシズムが堪能できる. アタッカで第3楽章に接続される. また, 三段の譜面が一部で使用されている.

第3楽章
ロ短調, 6/8拍子, スケルツォ.
FAEソナタ, あるいは第一ソナタのスケルツォ楽章を想起させる. この一連の初期のピアノソナタでスケルツォ楽章を効果的に活用できなかったことが, 後に交響曲を作曲する際にスケルツォの使用を躊躇わせる遠因となったのかもしれない.

第4楽章
嬰へ短調, 4/4拍子, ソナタ形式.
幻想的な序奏に続き, 序奏の主題に基づくソナタ楽章が展開される. ベートーヴェン風の力強い展開が序奏と好対照をなす.

楽譜 (IMSLP)

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