2016年4月11日月曜日

ピアノ四重奏曲第2番 op.26

ブラームスは自身のピアノ四重奏曲第1番, 第2番をop.25, op.26と連続して出版した. 現在では第1番はシェーンベルクによる管弦楽版のおかげもあり知名度を持つが, イ長調の第2番はその影に隠れたマイナーな作品となっている. もちろん, 第2番も優れた内容を持つということは指摘するまでもない. 第2番の特徴は, 伝統的な形式感への挑戦が随所に見られる点である. この努力は後の傑作群に実を結ぶことになるが, この時点では, 代償として同じ主題が執拗に耳につくという欠陥により, 完全に成功しているとは言い難い.

第1楽章 Allegro non troppo
イ長調, 3/4拍子, ソナタ形式. 暖かな陽だまりのような音楽. どの楽章も10分を超える大規模な作品であるが, その中でも特に規模が大きく, ベートーヴェンやシューベルトの影響が感じられる.

第2楽章 Poco Adagio
ホ長調, 4/4拍子, ロンド形式. 緩徐楽章にロンド形式を持ってくるのは珍しい. もっとも, かなり自由なロンドで,

第3楽章Scherzo, Poco Allegretto
イ長調, 3/4拍子, スケルツォ. 流れるような旋律が優雅なスケルツォである.

第4楽章Finale, Allegro
イ長調, 2/2拍子, ロンド・ソナタ形式. ジプシー風のインパクトのあるメロディによる. 第1番も最終楽章はジプシー風であり, どちらも強烈な印象を残す.


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