ドレスデン・フィルハーモニーはシュターツカペレ・ドレスデンとは別団体で、1870年設立。シティオケという理解でいいのかな。 率いるはミヒャエル・ザンデルリンク、かのクルト・ザンデルリンクの息子らしい。若く見えたけど、実は50歳 (いま気づいた)。 来日公演も既に2013年、2015年に行ってるので、三回目かな?
以下、感想。座席的に管楽器に比重が偏ってるかも。
まずブラ4。この響きこそブラームス。管楽器の古めかしい響き、弦楽器の冷たいけどだからこそ輝く音色、はぁ… と思いっぱなしでした。 低弦もまさに理想的、硬すぎず柔らかすぎず。音程が完璧だとあんなに透き通るんだね、というのも発見。 演奏は基本的には王道通り。気になったのは
- 1楽章73小節で弦が落として管に振ったのはやや作為的過ぎるように感じられた
- 2楽章32小節あたり、ちょっと盛り上げすぎでは
- 4楽章フルートソロ, 最後の最後でなんでそんなに粘るの
次にブラ1。冒頭でティンパニ両手w 4台用意してあった謎が解けたw
ティンパニ出すとこは出すけど、抑えるとこは抑えてたので、序奏2回目のテュッティとか、バスの連打がはっきり聞き取れる。
主部はテンポ遅めで丁寧に作り上げていくスタイル。ホルンかっこいい。繰り返しはなし。
が、展開部最初のピークははっきりとした頂点に到達せずにすっとデクレッシェンドしちゃって、肩透かし。
次のピークから再現部は! と思っていたら、たしかに盛り上がるんだけど、こっちも肝心なところはあっさり終わってハ短調に戻るインパクトがない、
むしろ、丸く収まってめでたしめでたし感。ええぇ!
そんな感じでフラストレーション溜まる1楽章でした。コーダ462小節からのホルンは、こう鳴らすのか、と納得したけど。
2楽章も情緒たっぷりというよりかはスマートな感じ。もちろん音楽風景は素敵なんだけど。
この辺で不満たっぷりだけど、3楽章は想像できる通りに素敵にまとまってたので、まぁ。
4楽章へはアタッカで、なんかここでスイッチ入った。序奏、気迫たっぷりで目が離せない。
アルペンホルンとコラールの部分は、管楽器みんな良い音色で溶け込んでるから理想的な展開。
それで第1主題が始まると、いままでのフラストレーション全部解決して、聴いてて良かった、と。
こういう作戦だったのか、負けた…w
4楽章は気を取り直して全編お見事、特に管楽器のスフォルツァンドなんかいままで聞いたことない鳴り方する。
コーダもテンポを上げるよりは丁寧に音楽をつくる方向。弦楽器と管楽器の対話もわかりやすい。
最後のコラールでようやく最高潮に達して、そこからドレスデン・サウンドで畳みかけて締め括る。
最高のブラームスでした。
今回のツアースケジュールは (僕が把握してる範囲では) 以下の通り。
6/24 | 名古屋 | ブラ4/ブラ1 |
6/25 | 所沢 | ブラ4/ブラ1 |
7/1 | 大阪 | ブラ4/ブラ1 |
7/2 | 横浜 | オイリアンテ/ベトPf5/ブラ1 |
7/4 | 東京 | ベト5/タコ5 |
7/5 | 浜松 | オイリアンテ/ベトPf5/ブラ1 |
ドイツの地方オーケストラがどんな響きなのか知りたかった、という当初の動機からすると、大満足。 自分たちにとってブラームスはこうだ、という自己主張の強さ (というか自信?) も気に入った。 次の来日公演も聞きたいな、マーラーとか持ってきてくれないかなぁ。シューベルトも良さそう。
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