ラベル ピアノ曲 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ピアノ曲 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2016年4月20日水曜日

ジプシーの歌による変奏曲 op.21-2

創作主題による変奏曲op.21-1と同時に出版された. この曲の特徴は, 変奏主題が3/4拍子と4/4拍子の混合拍子によるもので, 拍的に不安定であるという点にある. このような変則的なリズムへの傾倒はブラームスの作品を特徴づけるポイントのひとつで, ハイドンの主題による変奏曲op.56では5小節単位による主題を採用しているし, 他の曲でも変則的な進行はしばしばみられる.
主題と13の変奏, そして長めの終曲からなるが, 演奏時間8分を超えない短い曲である. 一見朗らかで馴染み易い主題で始まるが, リズム構造が独特で, それをつかみ損ねると流れに乗れず気づくと終わっているという, 聴く側にもハードルがあるという変わった曲と言えるかもしれない.

2016年4月2日土曜日

ピアノソナタ第2番 op.2

本作は作曲時期的にはピアノソナタ第1番op.1に先行するものであるが, 自身の作品カタログの冒頭を飾る楽曲は正統派のハ長調ソナタであるべきというブラームスの判断によって , この嬰ヘ短調のソナタには作品番号2が付与された. 本作はクララ・シューマンに献呈されている.

第1楽章
嬰へ短調, 3/4拍子, ソナタ形式.
劇的な序奏に続いて幻想的な音楽が展開される. 本作の作曲時期にはブラームスはまだハンブルクを出たことがなくショパンやシューマンの作品を知らなかったと思われるが, 彼ら初期ロマン派と同じ雰囲気を持つことが興味深い.

2016年3月23日水曜日

4つのピアノ小品集 op.119

本作はブラームスが最後に出版したピアノのための作品集で, 1993年に発表された(同じ年にピアノのための51の練習曲も出版しているが). 6つのピアノ小品op.118も同時に作曲されている. どの曲を取っても傑出した内容を持っており, ブラームスの晩年の一連のピアノ小品, そしてブラームスの122に及ぶ作品の総括に相応しい.

第1曲 インテルメッツォ
ロ短調, 3/8拍子.
第4曲でも特にそうであるが, この作品集においては不協和音の使用が目立っている. ブラームスはかねてより不協和音を好みモーツァルトの不協和音の用法を称賛していた. 交響曲第3番の時期から見られる和声法への挑戦の結果, 独自の和声感覚に到達し, それを本作において具現化したと言える. 拡大された和声法は20世紀前半にシェーンベルクらによってさらに推し進められ, 最終的に和声という概念を根本的に破壊することになる. 故に, この作品119-1は18世紀の古典和声と20世紀の前衛音楽を繋ぐという非常に重要な意義を持つ.
本作品の真価を理解するためには, 録音を聞くのではなく, 実演に接するか, 自分で演奏することを強く薦める.

2016年3月10日木曜日

パガニーニの主題による変奏曲 op.35

「パガバリ」と略される, 有名なピアノ独奏曲.
ウィーンで ブラームスは当時有名だったタウジヒというピアニストと知り合った. タウジヒはリストのように超絶技巧を誇るタイプであったが, ブラームスとはなぜか気が合い, ともに連弾を楽しんだりしていた. パガニーニの主題による変奏曲は, ブラームスがタウジヒに影響され, 超絶技巧への興味のもとで作曲された. その結果, ブラームス唯一の派手な演奏効果を持つ難曲に仕上がった.

2016年3月4日金曜日

4つのバラード op.10

初期のピアノ小品集であり, かなり地味な作風のため, ブラームスのピアノ作品の中でもかなりマイナーである. この中では第1曲が比較的知られている.

第1曲 d-moll
スコットランドの「エドワード」という詩に霊感を得て作曲された. 後にブラームスはop.75-1としてこの詩を二重唱曲にしている.

第2曲 D-dur
穏やかな主部と, 激しい中間部からなる.

第3曲 h-moll
6/8拍子であり, アウフタクトの強奏が特徴的. 音の重ね方が独特で, 古風とも現代的ともつかない聞き慣れない響きを伴う.

第4曲 H-Dur
この曲集の中では最もメロディーラインがはっきりしており, その点では聴きやすい曲である. ただし, やや単調な嫌いは否定できない.


2016年2月25日木曜日

創作主題による変奏曲 op.21-1

ブラームスの一連のピアノのための変奏曲のうちの一つ.
傑作, ヘンデルの主題による変奏曲op.24への重要な足掛かりとなった.
朗らかで優しいニ長調の主題による, 親しみやすい楽曲である.

2016年2月19日金曜日

3つの間奏曲 op.117

晩年の一連のピアノ小品のための作品集の一つ. 第1曲 (Es-dur) が特に有名だが, 3曲とも充実した内容を持つ. いずれも同一のリズムに執拗にこだわる傾向を見せており, ブラームスの「節約, それでいて豊か」な作風をよく反映している.

2016年2月9日火曜日

ピアノソナタ第3番 op.5

ブラームスには珍しい5楽章構成の作品であり, 他にセレナーデ第2番op.16があるのみである. ヘ短調の情熱的な音楽で人気が高い. 部分的にベートーヴェンやショパンを思わせるフレーズが登場するのも興味深い. 特に, ベートーヴェンの交響曲第5番の「運命の動機」が象徴的に引用されている.

2016年1月28日木曜日

ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ op.24

主題と25の変奏, そしてフーガからなる大規模なピアノ作品である.
本作品は, その着想の豊かさ, 規模の大きさ, 卓越した変奏技法といった点でパガニーニ変奏曲と並び称賛される.

極めて単純な主題から驚くほど多様な音楽が引き出させていく様はまさに圧巻である. 例えば第7変奏の軽快な踊りや, 第13変奏の重々しい文句, 第19変奏のシチリアーノなど. 最後のフーガ主題も, もとの変奏曲主題のバリエーションとして得られたものである.

バッハのごとき対位法や派手な跳躍が多く単純に技術的に難しいのみならず, そのような豊富な情景を描き出す必要があるため, 知名度の割に実演の機会は多くはない. そもそも変奏曲というジャンル自体, 長大な作品が多いために演奏に恵まれないのではあるが.

2016年1月12日火曜日

シューマンの主題による変奏曲 op.9

クララ・シューマンに献呈されたこの曲は, 病床のロベルト・シューマンに届けられ, 彼を喜ばせたと伝えられる.
R.シューマンの「アルブムブレッター」(作品99中の1曲)に基づく主題と16の変奏からなる.
後のヘンデル変奏曲やパガニーニ変奏曲に比べるとやや単調な嫌いがあるし, 技術的に難しい割に地味で演奏効果が上がらないために, かなりマイナーな作品となっている.
それでも, 静かに耳を傾けると, 若いブラームスの情熱や作曲にかける意気込みが秘められていることが感じられるだろう.

2016年1月7日木曜日

スケルツォ op.4

ブラームスはその生涯を通じて, 自作の出版には極めて慎重であった.
入念な自己反省結果として破棄され, 存在が伝えられるだけで残っていない作品は数多くある.
その結果, ハンブルクで作曲された曲の大部分は破棄されたのであるが,
このスケルツォはその中で厳しい自己査定を通り抜けて出版されたものとして貴重である.
リストを訪問した際にブラームスが携えていたのもこの曲の楽譜である.

変ホ短調, 3/4拍子.
神経質な属和音で始まり, 重音の多い力強い音楽が展開される.
半音進行や低音の重視など, ブラームスの典型的様式を既に確立していることが見て取れる.
第1トリオは変ホ長調で, オクターブの重音や大きな跳躍が頻発する.
ロ長調の第2トリオで少ない素材から多様な楽想が導かれている点はマルクスゼンの影響ではないだろうか.
(動画は追記の中)