2016年2月29日月曜日

クラリネットソナタ第1番 op.120-1

最晩年の作品のひとつ. 簡潔ながらも完成された作曲技巧, 一見単純だが難解な音楽的内容, 等のブラームス晩年の特徴が典型的に刻まれた傑作として知られる.

2016年2月27日土曜日

哀悼の歌 op.82

友人の画家フォイエルバッハの死を悼んで作曲された. シラーのテキストによる合唱曲. オーボエの美しい旋律に続き, 合唱が「美しいものは滅びなければならない」と歌い始める. 作曲の動機やタイトルから予想されるものとは異なり, 全体として明るさを保った穏やかな音楽である.

2016年2月25日木曜日

創作主題による変奏曲 op.21-1

ブラームスの一連のピアノのための変奏曲のうちの一つ.
傑作, ヘンデルの主題による変奏曲op.24への重要な足掛かりとなった.
朗らかで優しいニ長調の主題による, 親しみやすい楽曲である.

8つの歌曲 op.59

ヴァイオリンソナタ第1番で引用されたことで有名な「雨の歌op.59-3」を含む歌曲集.

2016年2月21日日曜日

ヴァイオリン協奏曲 op.77

2曲の交響曲を書き終えた後の円熟期の作品. ブラームスの代表作とも言える知名度を持つことからして, 詳しくこの作品について述べる必要はないだろう. (i.e. 誰でも知ってるエピソードについてはjawp等をあたってください.)

2016年2月19日金曜日

3つの間奏曲 op.117

晩年の一連のピアノ小品のための作品集の一つ. 第1曲 (Es-dur) が特に有名だが, 3曲とも充実した内容を持つ. いずれも同一のリズムに執拗にこだわる傾向を見せており, ブラームスの「節約, それでいて豊か」な作風をよく反映している.

2016年2月17日水曜日

弦楽六重奏曲第1番 op.18

2本のヴァイオリン, 2本のヴィオラ, 2本のチェロというやや珍しい編成のための室内楽作品である. 本作品はブラームス初期の傑作として名高く, 特に2楽章の情熱的な旋律はよく知られている. この楽章をブラームスはクララ・シューマンへの誕生日プレゼントとしてピアノ独奏用に編曲している. これは1927年に出版されている. (誰かぜひ弾いて聴かせてください.)

2016年2月15日月曜日

9つの歌曲 op.32

1864年に作曲されたこの作品集では, わが妃よ, そなたはなんとop.32-9が特に有名である. 恋をテーマとする作品が多い. 同時期の作品として, ピアノ五重奏曲op.34がある.

2016年2月13日土曜日

タネーイェフ 協奏的組曲

時間あるはずなのに, 2日に1回更新してる余裕がない不思議.
今日はタネーイェフによるヴァイオリンと管弦楽のための「協奏的組曲」を.

2016年2月11日木曜日

勝利の歌 op.55

普仏戦争におけるプロイセンの勝利を記念して作曲され, ドイツ帝国初代皇帝ヴィルヘルム一世に献呈された. 3つの楽章から構成される, 管弦楽伴奏つき合唱曲.

第1楽章
明るく祝祭的な雰囲気のオーケストラの短い前奏に続き, 合唱が力強く「ハレルヤ」と歌い始める.

第2楽章
ト長調で, 第1楽章よりは落ち着いた雰囲気.

第3楽章
短調で開始されるが, すぐに勝利の凱歌に移る.

2016年2月9日火曜日

ピアノソナタ第3番 op.5

ブラームスには珍しい5楽章構成の作品であり, 他にセレナーデ第2番op.16があるのみである. ヘ短調の情熱的な音楽で人気が高い. 部分的にベートーヴェンやショパンを思わせるフレーズが登場するのも興味深い. 特に, ベートーヴェンの交響曲第5番の「運命の動機」が象徴的に引用されている.

2016年2月7日日曜日

シューマンのコンツェルトシュテュック

ごめんなさい, 今日も記事が書けませんでした.
R.シューマンの4本のホルンのためのコンチェルトシュテュックを載せておきます.

2016年2月5日金曜日

6つの歌曲 op.6

ごく初期の作品集で, 個性的な歌曲6つから構成されている.

第1曲 スペインの歌 Spanisches Lied
眠っている彼氏を眺める女性の独白を異国風の音楽に乗せている. スペイン民謡に基づくため「スペインの歌」と題したのであろうが, むしろハンガリー風に思える.

第2曲 春 Der Frühling
心弾む暖かな春の陽気に満たされた音楽.

第3曲 名残り Nachwirkung
9/8拍子という珍しい拍子で書かれている上にアウフタクトを多用するため, やや意表を突く感じがする. 恋人と会えない寂しい日のことを, 抑制されてはいるが情熱を込めて語る.

第4曲 万歳! Juchhe!
世界の美しさは誰もが知っている, と喜ばしい調子で歌う. ブラームスが書かなかったオペラのような趣がある.

第5曲 雲が太陽に向かって Wie die Wolke nach der Sonne
雲が太陽の強い光に照らされてもめげずに何度も太陽に縋る姿と, 自分と思いを寄せる女性を重ねている. 民謡調の単純な節回しだが, 第3節で短調に移る箇所が聴きどころ.

第6曲 小夜鳥は翼を動かして Nachtigallen schwingen
ナイチンゲールの小刻みな羽ばたきが, ピアノのせわしない同音連打で表現される. 鳥たちと花々の楽しげな世界と, それを見る自分の疎外感.

2016年2月3日水曜日

お詫びとグラズノフの四季

現在とてつもなく忙しいので, 今日は更新見送らせてください.
もしかしたら金曜日も無理かも.

たまにはブラームス以外の音楽を聴いて癒されましょう. グラズノフのバレエ音楽「四季」をどうぞ.

2016年2月1日月曜日

13のカノン op.113

女声合唱のための作品は, 初期からブラームスの作品の重要な一角を占めてきた. これは, 若い頃にハンブルクにおいて女声合唱団の創設に関わり, また彼がその指導を行ったということと関係している. 今回紹介するのは後期に出版された13のカノンop.113であるが, この曲集に含まれる作品は, 作曲年代が不明であるか, かなり初期に作られたものである. それ故に, 51のピアノ練習曲の場合と同じく, 既に手元にあった練習用の作品を何らかの理由により出版する気になったものであろう.
短い作品の集まりであるが, どれも美しいもので, 女声合唱の魅力を伝えるのに十分である.