ブラームスの一連のピアノのための変奏曲のうちの一つ.
傑作, ヘンデルの主題による変奏曲op.24への重要な足掛かりとなった.
朗らかで優しいニ長調の主題による, 親しみやすい楽曲である.
テーマ
3/8拍子, ニ長調.
重厚な和音を伴う変奏曲主題. 開放配置を好む上にペダル踏みっぱなしが指定されており, 豊かな響きが特徴的.
第1変奏
低音の16分音符から始まる. 静的な印象のテーマに対して, ここで動き始める, といった面持ち.
第2変奏
第1変奏を引き継ぐ左手に対して, 右手に滑らかな対旋律が付加される.
第3変奏
係留音の連打からなる変奏.
第4変奏
再びペダル踏みっぱなしで, 細かな同音二連打が連続する.
第5変奏
右手にもとの主題に基づく優雅な旋律が現れる.それに対する左手が三連符で動くというブラームスお好みのパターン.
第6変奏
オクターブとアルペジオからなる.
第7変奏
左手と右手が交互にオクターブを打つ. 音の一粒一粒の輝き.
第8変奏
ニ短調となり, 力強い音楽になる. 後の協奏曲第2番を思わせる.
第9変奏
貯めと強奏が一拍おきに繰り返される, 躍動感のある変奏.
第10変奏
引き続きニ短調ではあるが, 沈静化し, 悲しげな旋律を粛々と歌う.
第11変奏
ニ長調に戻り, 規模の大きなコーダをつくりあげる. 最後はピアニッシモで静かに終わる.
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