2016年1月2日土曜日

ヴァイオリン・ソナタ第2番 op.100

交響曲第4番op.98を発表した翌年の夏, ブラームスは避暑地をミュルツツーシュラークからトゥーンへと移した.
この地で作曲されたのは3曲, チェロソナタ第2番, ヴァイオリンソナタ第2番, ピアノ三重奏曲第3番である.
このうちピアノ三重奏曲については、交響曲第4番に匹敵する重く暗い楽想を持つが,
残りの2曲は比較的明るく親しみやすい曲となっている.
本日紹介するのは, 交響曲第2番のような陽光で満たされたヴァイオリンソナタ第2番である.
全編を通して奏でられる穏やかな秋晴れの日を思わせる温かな歌は, 一聴するなり作品番号70番代の一連の作品を連想させる.

第1楽章
イ長調, 3/4拍子, ソナタ形式.
序をおかずピアノにより第一主題が提示される. メロディ自体は4小節で構成されているものの,
最後に1小節だけヴァイオリンの応答があるため, 実質的に5小節を単位としている.
ヴァイオリンによって第一主題が確保されると, ホ長調に転調しすぐに第二主題へと移る.
1小節の休止の後の展開部では, はじめ第一主題が, 次いで結尾主題が扱われる.
繊細に移ろう和声によって醸し出される独特な表情が聴きどころ.
再現部は第一主題が切り詰められているが, おおよそ型どおり.
相対的に長大なコーダでは静と動が対比される.

第2楽章
ヘ長調, 2/4拍子.
ABABAという単純な構成を持つが, 毎回変奏されるので単調さはない.
むしろ, ロンドやスケルツォ, メヌエットといった要素が巧妙に溶け込んだ巧妙な構成を持つと言えよう.
全体としてモーツァルトのような可憐さを備えた楽曲である.
AはAndante tranquilloで跳躍の多い旋律が優雅に歌われる.
Bはvivaceでピアノとヴァイオリンが軽快に楽譜の間を走りまわる.

第3楽章
イ長調, 2/2拍子, ロンド形式.
幅の広い, ゆったりとしたヴァイオリンのメロディーで始まる.
ロンド形式となっているが, この楽章のほとんどすべての要素がロンド主題から展開されたものであり,
自由な変奏曲と表現するほうが実態に近い.
途中やや暗くなることがあっても, 最初の主題の明るさを失わずに前を向いて進んでいくひたむきさが心を打つ.

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