創作主題による変奏曲op.21-1と同時に出版された. この曲の特徴は, 変奏主題が3/4拍子と4/4拍子の混合拍子によるもので, 拍的に不安定であるという点にある. このような変則的なリズムへの傾倒はブラームスの作品を特徴づけるポイントのひとつで, ハイドンの主題による変奏曲op.56では5小節単位による主題を採用しているし, 他の曲でも変則的な進行はしばしばみられる.
主題と13の変奏, そして長めの終曲からなるが, 演奏時間8分を超えない短い曲である. 一見朗らかで馴染み易い主題で始まるが, リズム構造が独特で, それをつかみ損ねると流れに乗れず気づくと終わっているという, 聴く側にもハードルがあるという変わった曲と言えるかもしれない.
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