2016年3月13日日曜日

交響曲第3番 op.90 第2楽章

第2楽章 Andante
ハ長調, 4/4拍子, 三部形式.
クラリネットとファゴットによる, 暖かな主要主題で始まる. ただ, どこか寂しげで過去を懐かしむような趣がある. それに対する低弦の応答がモットー (の変形) である. 23小節に渡るクラリネットの独壇場が終わると, 主要主題に基づく推移部となる. ここでは長和音と短和音の交錯が絶妙なニュアンスを醸し出している (この点については後の楽章で再び触れる). 一つの山場を築いて静寂が訪れると, 再びクラリネットとファゴットによって副次旋律が悲し気に提示される (41小節). 小結尾 (57小節) は引き続き調性のはっきりしない静的なもの.
63小節目から中間部に入り, 主要主題によるメロディによって音楽が動き始める. 最初はチェロ, 次にヴァイオリンによってこれが反復されると, その頂点で打ち切られ, 主要主題の切れ端が様々な楽器によって奏でられる. そうするうちに85小節ではっきりと主題に再現となる. 今度は副次旋律が先のものの代わりに, 108小節からのヴァイオリンによる流れるようなメロディが提示される.
121小節からのコーダでは, 半音で下降するファゴットに乗って, やはりクラリネットが主要主題に基づく旋律を奏する. 最後, ハ長調に解決する直前に挿入されたヘ短調の和音がこの楽章の持つ秋の寂しさという印象を強めて, 有名なハ短調の第3楽章へと続く. 134小節.


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