2016年1月22日金曜日

ピアノ協奏曲第1番 op.15

本日1/22は, ピアノ協奏曲第1番ニ短調の初演からちょうど157年にあたる.
初演の5日後にライプツィヒでで作曲者自身の独奏によって行われたこの曲の演奏は, 惨憺たる大失敗に終わった. なんと, 拍手をしたのがわずか3人だけだったと伝えられる. 一旦は交響曲として作られたことに由来する協奏曲らしからぬシンフォニックな響きや, その長大さ, ソリストの技巧を披露する派手なパッセージの不足がその原因であろう.
その後のクララ・シューマンらの尽力によって, 現在ではブラームス初期の傑作としての評価が確立している.

第1楽章
ニ短調, 6/4拍子, 協奏ソナタ形式.
強烈なティンパニの連打に続き, 弦楽器によって第1主題が堂々と奏される. 第2主題を提示することなく管弦楽パートを終えると, 静かにソロが演奏に加わる. 展開部終盤での盛り上がり, そしてそこからの再現部への突入が聞き所.

第2楽章
ニ長調, 6/4拍子, 三部形式.
弦楽器とファゴットの穏やかな旋律から始まる. 独奏の扱いや管弦楽法といった点でピアノ協奏曲第2番第3楽章を思わせる.

第3楽章
ニ短調, 2/4拍子, ロンド.
古めかしいロンド主題による, 走り抜けるような爽快な楽章. 副次主題は1楽章の第2主題に似たもので, 1回目はヘ長調, 2回目はニ短調で現れる. 短いカデンツァを経てニ長調に転調すると, 輝かしく全曲を締める.

 

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