2016年1月7日木曜日

スケルツォ op.4

ブラームスはその生涯を通じて, 自作の出版には極めて慎重であった.
入念な自己反省結果として破棄され, 存在が伝えられるだけで残っていない作品は数多くある.
その結果, ハンブルクで作曲された曲の大部分は破棄されたのであるが,
このスケルツォはその中で厳しい自己査定を通り抜けて出版されたものとして貴重である.
リストを訪問した際にブラームスが携えていたのもこの曲の楽譜である.

変ホ短調, 3/4拍子.
神経質な属和音で始まり, 重音の多い力強い音楽が展開される.
半音進行や低音の重視など, ブラームスの典型的様式を既に確立していることが見て取れる.
第1トリオは変ホ長調で, オクターブの重音や大きな跳躍が頻発する.
ロ長調の第2トリオで少ない素材から多様な楽想が導かれている点はマルクスゼンの影響ではないだろうか.
(動画は追記の中)

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