2016年1月8日金曜日

大学祝典序曲 op.80

ブレスラウ大学からの名誉博士号授与に対する返礼として1880年に作曲された. 「だいしゅく」と略される.
ドイツの学生歌が4曲引用されている他, ブラームスの管弦楽作品の中で最大の編成である点が特徴.
姉妹作に悲劇的序曲op.81がある.

ハ短調, 4/4拍子→ハ長調, 4/4拍子, 自由なソナタ形式.
交響曲第1番第4楽章で採用された, 展開部と再現部を兼ね備えた「展開的再現部」が採用されている.
冒頭, 大太鼓のリズムに乗ってハ短調の第1主題が弦楽器で刻まれる. この主題はブラームス本人の創作である.
この主題に基づいて一つの山場を築き, それが落ち着いたところで管楽器によって「僕らは立派な学び舎を建てた」が高らかに奏される.
その後, ハ長調で第1主題を確保すると, やはり第1主題に基づく経過句を経て, 第2主題である「祖国の父」に辿りつく.
小結尾はファゴットのユーモラスな「あそこの山から来るのは何?」で, 全管弦楽でそれを繰り返して提示部を締める.
展開的再現部は17小節目からの繰り返しから始まるが, 直前の勢いに引っ張られて力強い音楽へと変貌する.
一旦落ち着いた後に再び盛り上がり, 3拍子の進行畳み掛けると, ハ長調での高らかな第1主題の再現となる.
手早く第2主題に移った後は提示部と同じ流れになる.ただし小結尾のファゴットは省略される.
コーダは「だから愉快にやろうじゃないか」による壮麗なもの.



"Wir hatten gebauet ein stattliches Haus" 「僕らは立派な学び舎を建てた」




"Landesvater" 「祖国の父」




"Was kommt dort von der Höhe?" 「あそこの山から来るのは何?」


"Gaudeamus igitur" 「だから愉快にやろうじゃないか」 (ラテン語)


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