2016年1月6日水曜日

4つの四重唱曲 op.92

四重唱はブラームスの声楽作品の重要な一角を構成する. 今回紹介するのは, 特に有名な「晩秋」を含む作品92である.

第1曲 おお、美しい夜
星々のきらめきやナイチンゲールの鳴き声に囲まれて, 美への賛美が思わず歌として漏れ出したかのような音楽.


第2曲 晩秋
ホ短調, 3/4拍子.
歌詞がわからなくてもヨーロッパの田園風景が思い浮かぶような強い描写力を持つ.
霧の垂れ込める森, 小麦畑, 最盛期を過ぎた寂しげな花, ...

第3曲 夕べの歌
ヘ長調, 4/4拍子.
白昼と夜の交わる黄昏時の情感を詠った曲.4声部とピアノの対位法的絡み合いの美しさが聴きどころ.

第4曲 なぜ?
変ロ長調, 4/4拍子.
強烈なピアノの前奏に続いて, 「なぜ歌は天に向かって響き渡るのか?」と歌われる冒頭は強いインパクトを持つ.
その後音楽は落ち着き, 歌唱によって星や月の美しさ, そして神の祝福を受けた日常が一層引き立つということが静かに述べられる.
※第4曲のみ四重唱による演奏が見つからなかったので, 合唱による演奏を掲載する.

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